Superior Column

WEBビジネス成功のための7つのポイント

マネジメント

①ユーザーの接点と振る舞いを把握

接客設計ということを意識することは単純に画面を設計するのではなく、ユーザーに安心してもらい、動機づけをしてサイトのゴールへ導くものです。

接客には、サイトだけでなく様々な接触ポイント、つまり送付資料や発送商品、その商品の梱包、注文書、サポートセンターなども含まれます。
これら全てのサイトを通じた一連の体験は「ユーザーエクスペリエンス(顧客体験)」と呼ばれることがあります。

たとえば、「サイトを通じて資料請求し、内容が良ければサイトで申し込む」といった一連の流れがあるとき、サイト運営は広報部、資料送付は営業部、申し込みはシステム部と部署が異なると個々の対応が良くても部署間の連携がうまくいってないと全体の評価を下げてしまいユーザーの行動を包括的に捉えていないと言えます。

それはユーザーとの接点とそこでの行動、そしてユーザー心理まで把握することがサイト成功の秘訣と言えるでしょう。

ではユーザーの一連の行動と捉えるには、サイトが扱う商品・サービスのライフタイムサイクルをもとにしたユーザー分析が役立ちます。
時系列での行動の変化を追うことでより深くユーザーを理解することができます。

目に見える成果物以上に重要なのが、「ユーザー心理デザイン」です。
どう思ってもらいたいか、サイト訪問当初から気持ちの変化をどうすれば成功に結びつくのかを考えることです。

「比較」もユーザーの特徴的な行動の一つです。
比較に耐えうる商品・サービス、比較できないほどの独自性であればWEBとの相性はいいです。

比較される項目については徹底的な情報開示を心がける必要があります。

②ユーザー視点でサイトの価値を定義

サイトを通じてユーザーに情報やサービスを提供する際に多くは自分たちが強みだと思っていることの伝達に終始しがちです。
たとえば、自社商品について極めて高品質であることをアピールしたとします。
しかし、ユーザーが価格の安さを求めているのであれば品質は無視されてしまいます。

ユーザーの視点に立った場合、クオリティよりもまずは先に「価格」から入ってその価値を説明することで最終的な強みを伝える方が効果的です。

また運営側にとっては当たり前の事実であっても、ユーザーにとっては価値を感じる場合が多々あります。
同じ事実でも表現の仕方で印象が変わります。

たとえばある販売会社で「ポイントカードはオプションで別途申し込み」と表記するより、お客様の好みに応じて2つの選択肢 「カード不要コース」「カード申込コース」と表現を変えることでユーザーからの評判がよくなりました。

運営側が一方的に思い込んでいる「強み」はセルフサービスのインターネットでは通用しません。
ユーザーの目から見たときの価値を基に自社の強みを明確化することが重要です。

③徹底した情報開示

SNSなどの普及によりユーザーが圧倒的なパワーを持つ現在、企業やWEBサイトは誠実な対応がユーザーからの信頼を勝ち取る方法になります。

情報の主導権を企業が持っていた時代と違って、ユーザーが自らの手で情報を集めることができるため、企業側が情報を出し惜しみしているとユーザーが離れる傾向が高まります。

現在は最も多くの情報を提供しているサイトにユーザーが集まる結果となっています。持っている限りの情報を体系立てて誠実に提供することでユーザーが集まるのです。

たとえばシステム障害が発生したときに障害情報をタイムリーに開示できた場合とそうでない場合に分けると、前者はクレームがほとんどなく、後者は時間が経つごとにクレームが増える現象を確認しました。

障害というマイナス要因であっても状況を誠実に伝えることで信頼を維持することができます。情報を開示することはユーザーだけでなく、競合にも情報を与えることになります。

しかし、情報の伝達スピードが飛躍的に増している現在の状況を考えれば、自ら情報開示しなくても遅かれ早かれユーザーや関係者から情報が漏れると考えるべきです。
このとき誤った情報が流出するくらいであれば、自ら情報を開示する意義が大きいし、結果として成功をもたらす近道となるでしょう。

④主導権をユーザーに

WEBサイトがセルフサービスメディアであり、ユーザーの方が圧倒的に大量の情報を持つことができることを考えると主導権はユーザーに与えるべきです。

元々サイトはユーザーが能動的に訪れ自らコントロールできるメディアです。アクセスするサイトの文字サイズやブラウザのウインドウの大きさまでもユーザーのコントロール下にあるため、それらが自由にならないとユーザーは強いストレスを感じます。

主導権は些細なインターフェースに限らず、ユーザーがどのサイトを利用するかもユーザーの意思に委ねざるをえません。このため「囲い込み」といった概念はインターネットでは意味がありません。
むしろ何からも自由であることがネット利用の大きなインセンティブであり、それを取り上げることはユーザーを失う結果をもたらしてしまいます。

結果的にユーザーが囲い込まれているように見えるのは、ユーザーが自らの意思でそこに留まっていると解釈する方がよいでしょう。ではどうやったら自らの意思で留まってくれるのかを考える以外に手立てはありません。

例えば会員登録を求めた場合、「この情報は必要無いはず」というような項目まで入力を求めるケースがあります。しかし、これによりユーザーを遠ざける結果になっていることも多いです。

だとするなら、ユーザーにとって納得できる入力項目だけに減らして、その分獲得できた多くの会員に後日アンケートを依頼し、他の聞きたい項目に回答してもらう手順も選択できます。

運営側のビジネス要件からユーザーのニーズや自主性を損なうことをしては、マイナスの結果しか残らないことが多くあります。

⑤組織、業務プロセス、システムの最適化

ユーザー中心の考え方を進めると、既存の組織やシステムがユーザー行動を阻害する障壁となっていると気づくことがあります。
「システムの制約により画面変更できない」といった表現はサイト設計やリニューアルの時によく聞く言葉かもしれません。基幹システムや業務の合理化、効率化が行われた90年代初頭まではシステム開発のコアはあくまで業務効率改善やコスト削減にあり、顧客の利便性からシステムを検討されることはほとんどありませんでした。

インターネットを介して企業と顧客がダイレクトにつながる現在、システム開発で最も弱かった顧客視点という部分が露呈される形となりました。

たとえば、「ある商品を探しているユーザーが、サイトを閲覧してお気に入りの商品が見つかり、すぐに電話で注文しようと思って電話番号を探したが掲載されておらず、結局別のサイトで注文をした」という事例がありました。

問題は「サイトに電話番号が掲載されていない」という事実ですが、実は組織の問題に起因していました。それはコールセンターとWEBサイト運営チームが別組織であり、さらに組織ごとの顧客獲得件数が経営目標となっていたため協力体制を取ることが難しかったのです。

このように企業と顧客が直接つながることで、システム、業務プロセス、組織をエンドユーザーの視点から見直すことが求められます。
WEBビジネスの競争に生き残るためには、既存の仕組みをユーザー、つまり最終顧客の視点から再設計することができるかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。

⑥ユーザー視点での画面設計

ユーザー中心設計では「サイトコンセプト」「画面設計」の2つが重要で、どちらが欠けてもWEBビジネスは成功しません。
サイトコンセプトに代表される流れやシナリオがいかに優れたものであっても、それがディティールに活かされなければ意味がありません。

サイトの戦略やコンセプトは優れているのに思うような成果が上がらないのは、画面の設計やレスポンスタイムといった細部をおろそかにしていることが多くあります。

特に差が出るのは画面設計で、コンテンツからリンクの配置、言葉使い、写真、デザインなどディティールで戦略の勝負が分かれます。

設計した画面案を随時ユーザー行動を観察・調査しながら画面設計することで戦略を反映した画面をつくることができます。
まさに「神は細部に宿る」ということでしょうか。

⑦スピーディーな対応の実現

情報伝達スピードの加速度的な変化によって、競合他社の追随スピードも同様に速度を増しています。

特にインターネットの世界ではこの傾向が顕著であり、他社が真似することを意識して変化に対応する体制が必須になります。

変化への対応スピードもこれまで以上に上げていく必要があるでしょう。常に考え、即座に実行に移せるPDCAサイクルをいかに持つかが成功の鍵となってくることでしょう。

たとえばリアルタイムで顧客の動きを監視できる仕組みを導入し、万が一の時に機敏に動ける体制を整えて、変化に柔軟に対応できる組織を検討していく必要があります。

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